
宅建試験に合格するためには、テキストを読んで過去問を繰り返すだけではなく、どのような順番で勉強し、どの段階で次へ進むのかが重要です。宅建業法、法令上の制限、権利関係では科目の特徴も異なるため、それぞれに合った勉強をする必要があります。
この記事では、宅建試験の科目と問題数から、最初に取り組む教材、分野別過去問題集の使い方、年度別過去問・予想問題集へ進むタイミング、科目別の勉強方法と目標点まで、宅建に合格するための勉強方法を解説します。
<目次>
➀宅建試験の科目と問題数
宅建試験は全部で50問あり、「権利関係」「法令上の制限」「税・その他」「宅建業法」「免除科目」の5つから出題されます。
| 試験科目 | 問題数 | 問題番号 |
|---|---|---|
| 権利関係 | 14問 | 問1〜問14 |
| 法令上の制限 | 8問 | 問15〜問22 |
| 税、その他 | 3問 | 問23〜問25 |
| 宅建業法 | 20問 | 問26〜問45 |
| 免除科目 | 5問 | 問46〜問50 |
最も問題数が多いのは宅建業法の20問で、次が権利関係の14問です。ただし、問題数だけを見て勉強時間を決めればいいわけではありません。宅建業法は基礎・標準レベルの問題が中心で高得点を狙いやすい一方、権利関係は理解に時間がかかり、発展問題も出題されます。法令上の制限では制度の内容に加えて面積・高さ・期間などを正確に覚える必要があり、税・その他や免除科目にもそれぞれ特徴があります。
宅建試験では50問すべてで満点を目指す必要はありません。年度によって合格点は変動しますが、近年は30点台半ば前後になることが多いため、まずは35点以上を安定して取れる実力をつけ、その後40点前後を目指していきます。そのためにも、すべての科目を同じように勉強するのではなく、科目ごとの特徴を踏まえて勉強することが重要です。
➁宅建の勉強は何から始める?
宅建の勉強を始めるのであれば、まず用意するのは分野別テキストと分野別過去問題集です。大手予備校から出版されている教材であれば、権利関係、宅建業法、法令上の制限・税・その他の3分野に分かれているものが多く、テキスト3冊と分野別過去問題集3冊の合計6冊程度になります。
最初にテキストだけをすべて読んで、その後まとめて過去問を解く必要はありません。基本的な進め方は、1単元ごとに「テキストでインプット→その単元の分野別過去問でアウトプット」です。例えば宅建業法の免許について勉強したら、そのまま免許の過去問を解きます。覚えた直後に問題を解くことで、理解できている部分と理解できていない部分を確認しながら進められます。
私が推奨している科目の順番は、宅建業法→法令上の制限・税・その他→権利関係です。絶対にこの順番でなければいけないわけではありませんが、宅建業法は3分野の中では比較的取り組みやすく、初めて宅建を勉強する人でも進めやすい科目です。反対に権利関係は民法を中心として理解に時間がかかるため、最初から権利関係で長期間手が止まるより、宅建業法から始めて勉強の進め方に慣れてから取り組むことをおすすめしています。
宅建試験までの基本的な流れは、分野別テキスト+


③分野別過去問題集で基礎を固める
宅建の勉強で最初にしっかり取り組むのが、分野別テキストと分野別過去問題集を使った基礎固めです。分野別過去問題集には、過去に出題された問題の中から、その年の宅建試験に向けて勉強する優先順位の高い問題が単元ごとに収録されています。基本〜標準レベルの問題が中心なので、初学者は原則として収録されている問題すべてに取り組んでください。
最初の1〜3周程度は、分からなければテキストを見ながら解いて構いません。最初から何も見ずに正解することよりも、「何について聞かれているのか」「テキストのどこに書かれている知識なのか」「どの知識を使えば判断できるのか」を確認することの方が重要です。問題とテキストに書かれている知識を結びつけながら進めます。
何度か繰り返して問題と知識が結びついてきたら、少しずつテキストを見ずに解くようにします。ここで確認するのは正答率だけではありません。問題文から使う知識を特定できるか、その知識を思い出せるか、問題文の条件に当てはめられるか、なぜ○なのか、なぜ×なのかまで説明できるかを確認します。
過去問は何周すればいい?
過去問を何周すればいいのかについて、強いて目安を示すのであれば、分野別過去問題集は5〜7周程度です。ただし、「7周したら完成」という意味ではありません。正しい勉強方法で取り組んだ場合に、基本知識がある程度身につき、年度別過去問へ進める状態になる人が多い回数の目安です。
5周程度で、期間を空けても理由まで説明して正解できる問題を無理に7周する必要はありません。反対に7周しても間違える問題、判断に迷う問題、理由を説明できない問題については、8周、10周と繰り返します。勉強が進んでくれば、問題集を最初から最後まで毎回すべて解く必要もありません。できる問題は復習する間隔を広げ、苦手な問題ほど多く繰り返してください。
また、同じ5周でも短期間に一気に繰り返すのと、期間を空けながら繰り返すのでは意味が違います。その日に簡単に解けても、1か月後に忘れていれば本試験では使えません。一度できるようになった問題も期間を空けて再度確認し、それでも理由まで説明して正解できる状態を目指します。
分野別過去問題集から年度別過去問へ進む基準も周回数ではありません。基本問題について、問題文から使う知識を特定し、テキストを見なくても必要な知識を思い出し、理由まで説明して安定して正解できる状態になっているかで判断します。目安としては、分野別過去問題集の9割以上を理由まで含めて迷わず解ける状態まで仕上げてから年度別へ進みます。
分野別過去問題集の具体的な使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。
【宅建】分野別過去問題集の正しいやり方|何周する?伸びる解き方を解説
過去問の周回数について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
宅建の過去問は何周すればいい?分野別・年度別の回数の目安を解説
丸暗記ではなく理由まで理解する
分野別過去問題集を何周もすると、同じ問題を繰り返すため、問題そのものの答えを覚えてしまいます。「この問題は○だった」「前回は×だった」「答えは3番だった」という記憶だけでも正解できるようになります。しかし、それでは過去問の正答率が上がっているだけで、初めて見る問題を解く力が十分についているとは限りません。
宅建で重要なのは、結論だけではなくなぜその結論になるのかまで
法令上の制限に出てくる数字や期間についても、最初からすべてを意味のない数字として覚える必要はありません。制度の目的や規制の内容から理由を考えられるものは、理由と一緒に覚えます。もちろん、そのまま覚える必要がある知識もありますが、それを理由に宅建全体を丸暗記で勉強する必要はありません。
本試験では、過去問とまったく同じ文章がそのまま出題されるわけではありません。聞き方を変えられたり、複数の知識を組み合わせられたり、問題文に新しい条件を加えられたりします。そのときに必要なのは過去問の答えを思い出すことではなく、身につけた知識を使って自分で結論を出すことです。
丸暗記ではなく理由まで理解して勉強する方法については、以下の記事で実際の過去問を使って詳しく解説しています。
宅建は丸暗記で合格できる?点数が伸びない原因と正しい勉強方法とは
④年度別過去問・予想問題集で仕上げる
分野別過去問題集で基礎を身につけたら、次は年度別過去問に進みます。年度別過去問は、本試験と同じ50問が年度ごとに収録された問題集です。分野別とは異なり、どの単元の知識を使うのかが最初から示されていません。問題文を読んで自分で論点を特定し、これまで勉強した知識の中から必要なものを選んで解く必要があります。
また、年度別過去問には分野別過去問題集に収録されていない発展問題も含まれています。1周目は50問すべてを解き、基本〜標準レベルで間違えた問題があればテキストや分野別過去問題集へ戻ります。分野別に収録されていなかった発展問題については、新しい知識として勉強します。2周目以降は、すでに安定して解ける基本問題を毎回すべて解き直す必要はありません。間違えた問題、判断に迷った問題、発展問題を中心に繰り返します。
年度別過去問についても周回数そのものを目標にする必要はありませんが、強いて目安を示すのであれば3〜7周程度です。繰り返すほど復習する問題を減らし、最後まで残った苦手問題や発展問題をテキストなしで理由まで説明して解ける状態を目指します。
年度別過去問はいつから始める?
年度別過去問を始める時期は、カレンダーだけで決めるものではありません。7月になったから年度別へ進むのではなく、分野別過去問題集が十分に仕上がっているかを基準にします。勉強期間を半年〜1年程度確保している場合であれば、7月中旬頃までに分野別を仕上げ、そこから年度別へ進めれば余裕を持って進めやすいですが、分野別が完成していないのであれば無理に年度別へ進む必要はありません。
年度別過去問を初めて解いて35点を大きく下回る場合は、基本〜標準レベルにまだ取りこぼしが残っている可能性があります。そのまま次々と新しい年度を消費するのではなく、間違えた科目や単元を確認し、必要であれば分野別過去問題集に戻ってください。年度別で弱点を見つけ、分野別で補い、再び年度別で確認するという流れを繰り返します。
年度別過去問を始める時期や具体的な取り組み方については、以下の記事で詳しく解説しています。
【宅建】年度別過去問題集はいつから始める?予想問題集はやるべき?


予想問題集はやるべき?
年度別過去問までしっかり取り組んだら、直前期には予想問題集にも取り組むことをおすすめします。予想問題集は、大手予備校などがその年度の出題を予想して作成したオリジナル問題を、本試験と同じ50問形式で収録したものです。
年度別過去問との大きな違いは、その年度の法改正や統計、
始める時期は10月に入ってからでも遅くありません。分野別や年度別が完成していないのに、早い時期から予想問題集まで同時に進める必要はありません。まず分野別で基礎を固め、年度別で本試験形式と発展問題に対応できる状態を作り、最後に予想問題集でその年度特有の内容まで確認します。
⑤宅建の科目別勉強方法と目標点
宅建試験では、すべての科目で同じ正答率を目指す必要はありません。問題数や難易度が違うため、科目ごとに目標点も変わります。一つの目安として、40点を目標にする場合は次のように考えます。
| 試験科目 | 問題数 | 目標点 |
|---|---|---|
| 権利関係 | 14問 | 10点 |
| 法令上の制限 | 8問 | 6点 |
| 税、その他 | 3問 | 2点 |
| 宅建業法 | 20問 | 18点 |
| 免除科目 | 5問 | 4点 |
宅建業法は20問と最も問題数が多く、発展レベル以上の問題は多くても0〜1問程度です。そのため、難しい問題を大量に勉強して得点を伸ばすというより、基礎・標準レベルを徹底的に仕上げ、取りこぼしを減らすことが重要です。まず16点程度を安定して取れる状態を作り、さらに18点、19点と精度を上げていきます。
法令上の制限は8問しかありませんが、比較的得点しやすい問題も多いため、6点程度を目標にします。数字や期間だけを切り離して覚えるのではなく、都市計画法、建築基準法、農地法、国土利用計画法など、それぞれの制度が何を規制しているのかを理解したうえで細かい知識を覚えていきます。
権利関係は14問あり、民法を中心に借地借家法、区分所有法、不動産登記法などから出題されます。宅建業法と比べて発展問題も含まれるため、最初から満点を目指す必要はありません。まず基礎・標準レベルを確実に取れる状態を作り、8点程度から10点、さらに高得点を目指すのであれば発展問題まで対応できるようにします。
税・その他は3問しかないため、すべての細かい知識を追って3点満点を狙うより、2点を安定して確保することを一つの目安にします。免除科目は比較的得点しやすいため、4〜5点を狙います。5問免除を受ける方については、問46〜問50が免除され、その5問については正解として扱われます。
科目別の目標点は絶対的なものではありません。権利関係が得意ならそこで多く得点しても構いませんし、別の科目で補っても構いません。ただし、例えば宅建業法が20問中13問しか取れていないのであれば、発展問題を追う前に宅建業法の基礎を優先して勉強する必要があります。合計点だけではなく、どの科目で、
35点・40点・45点それぞれの科目別目標点については、以下の記事で詳しく解説しています。
宅建の過去の合格点から科目別(分野別)の目標点数を解説!
⑥まとめ
宅建の勉強は、まず分野別テキストと分野別過去問題集を用意し、宅建業法→法令上の制限・税・その他→権利関係の順番で進めることをおすすめします。1単元ごとにテキストで勉強したら、そのまま同じ単元の過去問を解き、問題と知識を結びつけながら基礎を身につけていきます。
分野別過去問題集は5〜7周程度が一つの目安ですが、周回数そのものが目的ではありません。テキストを見なくても使う知識を特定でき、その知識を問題文に当てはめ、なぜ○なのか、なぜ×なのかまで説明できる状態を目指します。結論や過去問の答えだけを丸暗記するのではなく、その法律や制度がなぜその結論になるのかまで理解してください。
分野別が十分に仕上がったら年度別過去問へ進み、分野別で身につけた知識を自分で選んで使えるかを確認します。基本知識の不足が見つかれば分野別へ戻り、分野別に収録されていなかった発展問題は年度別で身につけます。最後に予想問題集を使い、その年度の法改正や統計、新しい出題傾向まで確認します。
基本的な流れは、分野別テキスト+分野別過去問題集→
⑦宅建オンライン家庭教師の完全個別指導
ここまで宅建の勉強方法を解説しましたが、実際には同じ教材を使っていても、理解の速さ、苦手な科目、勉強できる時間、試験までの期間は一人ひとり違います。また、過去問を何周もしているのに点数が伸びない場合、単純な知識不足ではなく、問題の解き方や復習方法そのものに原因があることもあります。
宅建オンライン家庭教師では、完全マンツーマンで現在の知識や理解度だけでなく、実際にどのように問題を読んで、どの知識を使い、どのように答えを出しているのかまで確認します。理解できていない法律については結論だけではなく理由から説明し、問題の解き方に問題があればその場で修正します。語呂合わせは一切使用しません。
また、全員に同じカリキュラムを当てはめるのではなく、現在の実力や試験までの期間に応じて、どの教材をどこまで進めるのか、分野別から年度別へいつ移るのか、どの科目を優先して勉強するのかまで個別に決めていきます。独学や通信講座ですでに勉強している方についても、現在使っている教材やこれまでの勉強を活かしながら受講できます。
2024年度・2025年度は2年連続で合格率80%超を達成し、初学者から4か月弱の勉強期間で45点を取って合格した生徒もいます。「何から勉強すればいいか分からない」「過去問を何周しても点数が伸びない」「年度別へ進んでいいのか判断できない」という方は、無料相談をご利用ください。
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