
宅建試験に落ちる原因というと、「勉強時間が足りなかった」「難しい問題が解けなかった」などを考える方が多いかもしれません。もちろん勉強時間は必要です。しかし、実際に多くの受験生を指導していると、かなり勉強しているのに点数が伸びない人や、過去問を何周もしているのに合格点に届かない人もいます。
宅建に合格するために重要なのは、単純な勉強時間や過去問の周回数ではありません。試験日までに必要な勉強を最後まで終えられるようにスケジュールを組み、出題頻度に応じて優先順位をつけ、過去問を使って法律や制度をきちんと理解する必要があります。この記事では、これまで多くの宅建受験生を指導してきた経験から、宅建に落ちる人に多い特徴と、合格するために必要なことを解説します。
<目次>
➀宅建に落ちる人の特徴
宅建に落ちる原因は人によって違いますが、実際に受験生の勉強を見ていると共通する部分もかなりあります。自分の勉強に当てはまるものがないか確認してみてください。
勉強時間が足りない
宅建に落ちる人の中には、単純に勉強時間が足りず、合格するために必要な勉強を最後まで終えられていない人がいます。宅建の勉強は、基本的には分野別過去問題集で各単元を十分に勉強した後、年度別過去問で本試験形式の問題を解き、最後に予想問題集で初めて見る問題に対応できるか確認していきます。この段階をきちんと最後まで進める必要があります。
たとえば、分野別過去問題集はかなりやり込んだけれど、年度別過去問を十分にやり込む前に試験当日を迎えてしまう人がいます。反対に、分野別過去問題集を十分に勉強しないまま年度別過去問に進み、全然解けないので分野別に戻り、そうしているうちに試験当日を迎えてしまう人もいます。これでは、どれだけ途中まで真面目に勉強していても合格するのは難しくなります。
重要なのは「合計○時間勉強したか」ではなく、試験日までに分野


勉強スケジュールを組んでいない
宅建の試験範囲は大きく分けると、権利関係、法令上の制限・税その他、宅建業法に分かれています。勉強スケジュールを組まずに進めると、苦手な分野や気になる分野に時間をかけすぎて、他の分野の勉強が遅れてしまうことがあります。特に権利関係は奥が深いため、分からないところを調べ始めると必要以上に時間を使いやすい分野です。
しかし、宅建は50問全体で合格点を取ればよい試験です。特定の分野だけ完璧にしても合格できません。特に宅建業法は20問を占めるため、ここを十分に勉強できないまま本試験を迎えることは絶対に避けるべきです。
勉強を始める段階で、試験日から逆算して「いつまでに分野別を終えるのか」「いつから年度別過去問に入るのか」「いつから予想問題集に入るのか」くらいは決めておきましょう。ただし、一度決めた予定を何が何でも守ればよいわけではありません。実際の理解度や進み具合を見ながら修正し、最終的に試験日までに必要な勉強を終わらせることが重要です。
宅建の勉強スケジュールの組み方や、1年・6ヶ月・3ヶ月で勉強する場合の具体的なスケジュール例については以下の記事で詳しく解説しています。
宅建の勉強期間の目安と勉強期間別(1年・6ヶ月・3ヶ月)のスケジュール例
使う教材が合格に適していない
宅建の勉強で基本的に必要なのは、分野別のテキスト3冊、分野別過去問題集3冊、年度別過去問題集1冊、予想問題集1〜2冊の8冊程度です。まずは分野別のテキストと過去問題集を使って各単元を勉強し、十分にやり込んだら年度別過去問題集に進みます。年度別では50問を通して解くだけでなく、分野別過去問題集では扱われなかった発展的な問題も勉強します。その後、予想問題集を使って初めて見る問題を解き、本試験に向けて仕上げていきます。
それにもかかわらず、一問一答や要点だけをまとめた教材、「はじめの一歩」のような入門用の教材などに次々と手を出してしまう人がいます。このような教材自体が悪いわけではありませんが、宅建試験は最終的に四肢択一の50問を解いて合格点を取る試験です。一問一答や入門用教材を何冊やっても、それだけで本試験対策が完成するわけではありません。
余計な教材に時間を使った結果、分野別過去問題集を十分にやり込めなかったり、年度別過去問や予想問題集まで進めなかったりするのであれば本末転倒です。分野別テキスト3冊+分野別過去問題集3冊→
テキストを隅々まで細かく読む
宅建のテキストには、法律や制度を理解するために必要な説明だけでなく、内容を正確に説明するために、本試験ではほとんど問われないような細かいことまで書かれている場合があります。テキストに載っているからといって、そのすべてを同じ重要度で覚える必要はありません。
特に注意したいのが、テキストを読むことに時間をかけすぎて、問題演習の時間が少なくなってしまうことです。テキストを何時間読んでも、それだけでは本試験の問題を解けるようにはなりません。宅建の勉
通信講座でも同じです。映像授業を見て「分かった」と思うことと、自分で問題を解いて正解できることは別です。映像授業だけを見続けるのではなく、必ず過去問を解きながら勉強してください。
丸暗記や語呂合わせに頼っている
宅建で勉強する法律のほとんどには、そのルールが存在する理由があります。それにもかかわらず、理由を考えずに結論だけを丸暗記したり、語呂合わせで覚えたりするのはやめましょう。
過去問を勉強するときも、「これは○」「これは×」と答えだけを覚えるのではなく、なぜ○なのか、なぜ×なのかまで理解してください。法律の目的や理由、要件、それぞれの知識のつながりまで理解していれば、過去問とは登場人物や条件、聞かれ方を変えられても、自分で考えて答えを導けるようになります。また、理解したうえで覚える方が、単に結論だけを丸暗記するより記憶にも残りやすくなります。
数字や期間など、最終的には覚えなければならない知識も当然あります。そのような知識についても、何も考えずに数字だけを暗記するのではなく、その制度の意味や他の知識との関係まで理解したうえで覚えてください。宅建の勉強で語呂合わせを使う必要はありません。覚える内容を無理に語呂に置き換えるのではなく、法律や制度の意味をきちんと理解したうえで覚えていきましょう。
丸暗記や語呂合わせに頼らず、理由まで理解する勉強方法については以下の記事で詳しく解説しています。
宅建は丸暗記で合格できる?点数が伸びない原因と正しい勉強方法とは
理解せずになんとなく過去問を解いている
過去問の取り組み方が間違っている人もいます。過去問をやみくもに解いても意味はありません。過去問をやる大きな目的の一つは、問題を解くことによって法律や制度の考え方を理解し、問題を解くための判断基準を身につけることです。法律上の根拠を考えずに、「なんとなく○だろう」「なんとなく×だろう」と解いていても実力はつきません。正解したか不正解だったかだけを見るのではなく、なぜ○なのか、なぜ×なのかまで考える必要があります。
具体例として、宅建業法で一番最初に学ぶ「宅建業の免許」の単元を過去問を使って解説します。
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、いずれの場合も、その行為を業として営むものとする。(2021年10月問32)
1.A社が、都市計画法に規定する用途地域外の土地であって、ソーラーパネルを設置するための土地の売買を媒介しようとする場合、免許は必要ない。
→正しい。用途地域外の土地でソーラーパネルを設置するための土地は宅地に該当しないので免許不要。
2.B社が、土地区画整理事業の換地処分により取得した換地を住宅用地として分譲しようとする場合、免許は必要ない。
→誤り。住宅用地は宅地、分譲なので自ら売買、業として営むと問題文に書いてあり、宅地建物取引業に該当するので免許必要。
3.農業協同組合Cが、組合員が所有する宅地の売却の代理をする場合、免許は必要ない。
→誤り。宅地、代理して売買、業として営むと問題文に書いてあり、宅地建物取引業に該当するので免許必要。
4.D社が、地方公共団体が定住促進策としてその所有する土地について住宅を建築しようとする個人に売却する取引の媒介をしようとする場合、免許は必要ない。
→誤り。住宅を建築するための土地は宅地、媒介して売買、業として営むと問題文に書いてあり、宅地建物取引業に該当するので免許必要。
「宅地または建物」「取引」「業」すべてに当てはまったら宅建業の免許が必要となり、1つでも当てはまらなければ免許不要となります。したがって、この3つすべてに関して選択肢ごとに考える必要があります。これが正しい解答の導き方です。
本当にごく一部の方ですが、以上のような考えを全くせずに「うーん不動産会社っぽい仕事!これは〇!」と何も考えずに解答を出す人がいます。本当にいます。これでは一生合格できません。きちんと勉強している人であれば、その解答の根拠が言えるはずです。そのような勉強をしていきましょう。
分野別過去問題集の具体的な使い方については以下の記事で詳しく解説しています。
【宅建】分野別過去問題集の正しいやり方|何周する?伸びる解き方を解説
出題頻度を考えずに勉強する
宅建試験には明確な出題傾向があります。毎年のように出題される論点もあれば、何年も出題されない論点もあります。また、同じ1問でも比較的簡単に取れる問題と、かなり勉強しても正解するのが難しい問題があります。それらを考えずに、「過去問題集に載っている問題は全部同じように勉強する」という方法はおすすめしません。
勉強できる時間には限りがあるため、出題頻度が高い論点から優先して勉強し、合格するために必要な問題を確実に取れるようにする必要があります。特に権利関係には、出題頻度が低いうえに理解するまで時間がかかる論点があります。代表的なものが法定地上権です。税・その他であれば所得税なども優先順位は低くなります。このような論点に何時間も使うのであれば、頻出論点を確実に正解できるようにした方が合格には近づきます。
ただし、何でも「難しいから捨てればいい」という意味ではありません。科目によって考え方は全く違います。特に宅建業法は20問中高得点を狙う科目であり、発展的な問題は20問中0〜1問程度です。宅建業法で勝手に捨てる論点を大量に作ってはいけません。出題頻度、難易度、勉強に必要な時間を考えて優先順位をつけてください。
各科目の出題頻度や勉強の優先順位については以下の記事で詳しく解説しています。
【宅建試験対策】権利関係(民法)の配点と出題頻度と優先順位を徹底解説!
【宅建試験対策】法令上の制限の配点と出題頻度と優先順位を徹底解説!
【宅建試験対策】宅建業法の配点と出題頻度と優先順位を徹底解説!
【宅建試験対策】税・その他の配点と出題頻度と優先順位を徹底解説!
捨て問・捨て科目の考え方については以下の記事で詳しく解説しています。
宅建試験に捨て問・捨て科目はある?権利関係(民法)は捨てるべき?
試験に出ないことまで考える
これは特に権利関係で多いです。民法は奥が深いため、勉強していると「この場合はどうなるんだろう」「条件が変わったらどうなるんだろう」とさまざまな疑問が出てきます。もちろん法律を学問として勉強するのであれば、その疑問を考えることには意味があります。しかし、宅建試験に合格するための勉強をしているのであれば話は別です。
宅建で問われるところについては、なぜその結論になるのかまできちんと理解してください。しかし、理由まで理解することと、宅建で出ないところまで際限なく深く考えることは全く別です。宅
宅建の勉強をしている目的は、法律について何でも知っている状態になることではありません。本試験で合格点を取ることです。どこまで考える必要があるのか分からなくなったときは、実際に過去問でどの程度まで問われているのかを基準にしてください。
試験に出ない不必要な知識まで覚える
ひとつ前の「試験に出ないことまで考える」と似ていますが、こちらは特に法令上の制限で多く見られます。法令上の制限には専門用語が多く、テキストには法律上の定義まで細かく載っています。しかし、宅建はマークシート式の試験です。法律上の定義や条文を一字一句書かせる試験ではありません。
たとえば都市計画法の用途地域、補助的地域地区、地区計画などについて、テキストに書いてある長い定義をそのまま暗記する必要はありません。問題を解くために必要な意味や違いが分かっていれば十分なものもあります。不必要な知識まで覚えると単純に暗記量が増えるだけでなく、本当に覚える必要がある重要な知識を復習する時間まで減ってしまいます。
過去問をやり込み、「何が出題されているのか」「どこまで知っていれば問題を解けるのか」を確認しながら、合格に必要な範囲まで勉強してください。
➁宅建試験の昔の問題と今の問題の違い
以前の宅建試験では、過去問と同じ知識を同じような聞き方で出題する問題も多く、理解が多少甘くても過去問の結論を覚えていれば正解できる問題が現在より多くありました。しかし、近年の宅建試験では同じ勉強方法では対応しにくくなっています。
現在でも過去問で学ぶ基本的な知識が重要であることは変わりません。しかし、同じ知識でも過去問とは違う角度から聞いたり、条件を変えたり、周辺知識まで問ったりする問題が増えています。そのため、過去問の文章と答えだけを覚えている人と、なぜその答えになるのかまで理解している人との差が出やすくなっています。
だからこそ、「この問題の答えは2番だった」「この文章は前に○だった」と覚える勉強はやめてください。先ほどの宅建業の免許の問題であれば、4つの選択肢を覚えるのではなく、「宅地または建物」「取引」「業」という判断基準を理解することが重要です。この判断基準を理解していれば、初めて見る事例に変えられても自分で答えを導くことができます。過去問を何周もしているのに、年度別過去問や予想問題集で初めて見る問題になると急に解けなくなる人は注意してください。過去問を理解したのではなく、過去問そのものを覚えているだけかもしれません。
近年の宅建試験の難易度や出題傾向の変化については以下の記事で詳しく解説しています。
宅建試験の難易度は上がってる?近年(過去15年間)の傾向を徹底解説!
③合格するために必要なこと
宅建に合格するために必要なのは、ここまで説明してきた「落ちる人の勉強方法」と反対のことをやることです。試験日までに必要な勉強を終えられるだけの時間を確保し、試験日から逆算してスケジュールを組みます。使う教材は、分野別
分野別過去問題集では、答えだけを覚えるのではなく、「なぜ○なのか」「なぜ×なのか」まで考えます。法律や制度の意味まで理解したうえで知識を覚え、すべての論点に同じ時間を使うのではなく、出題頻度や難易度によって優先順位をつけます。宅建で必要なところはきちんと理解しますが、試験に出ないところまで深く考えたり、不必要な知識まで覚えたりする必要はありません。
分野別過去問題集を十分にやり込んだ後は年度別過去問に進みます。年度別では50問を通して解き、時間内に解き終わるか、科目ごとに必要な点数を取れているかを確認するとともに、分野別過去問題集では扱われなかった発展的な問題も勉強します。その後は予想問題集を使い、過去問では見たことのない問題を自分の知識から考えて解く練習をしてください。
年度別過去問題集を始める時期や予想問題集の使い方については以下の記事で詳しく解説しています。
【宅建】年度別過去問題集はいつから始める?予想問題集はやるべき?
宅建は、単純に「○時間勉強したから合格できる」という試験ではありません。大事なのは、試験日までに合格するために必要な勉強を最後までやり切ることです。途中までどれだけ真面目に勉強していても、分野別過去問題集、年度別過去問、予想問題集という段階を踏んで本試験で合格できる状態まで仕上がる前に試験当日を迎えてしまえば、勉強が間に合ったとはいえません。
また、宅建試験は1回で合格するつもりで勉強してください。「今年落ちても来年受かればいい」と最初から考えるのはやめましょう。不合格になれば、また次の試験まで宅建の勉強を続けなければなりません。一度勉強した内容を忘れないように復習を続け、翌年になれば再び本試験に向けて勉強量を増やしていく必要があります。
仕事をしながら何ヶ月も勉強してきた人にとって、これをさらにもう1年続けるのはかなり大変です。法改正があれば新しい内容にも対応しなければなりませんし、翌年度版の教材を買い直す必要もあります。もちろん、どれだけ真剣に勉強しても結果として不合格になることはあります。しかし、最初から「来年もある」と考えて勉強するのではなく、
④宅建オンライン家庭教師のサービス内容
宅建オンライン家庭教師では、単に分からない問題を解説するだけではありません。受講生一人ひとりの勉強開始時期、試験日までに確保できる勉強時間、現在の理解度や得意不得意を確認したうえで、一人ひとり専用の勉強スケジュールを作成し、スプレッドシートを使って試験日までの進捗を管理しています。
授業は完全マンツーマンです。問題の答えを教えて終わるのではなく、「なぜ○なのか」「なぜ×なのか」を自分で説明できるようになることを重視しています。法律や制度の意味や理由まで理解し、初めて見る問題でも自分で答えを導けるようになるためのアウトプット中心の授業を行っています。また、
また、授業時間以外の勉強についても、「今週は何を勉強するのか」「この単元はどこまで勉強するのか」「この問題は捨ててもよいのか」「いつから年度別過去問に進むのか」「いつから予想問題集に進むのか」まで確認します。宅建は授業を受けている時間より、自分で勉強している時間の方が圧倒的に長いからです。分からない問題を教えるだけではなく、試験日まで何をどのように勉強するのかまで含めてサポートします。
宅建オンライン家庭教師では、2024年度・2025年度は合格率80%超、法律初学者でも4ヶ月弱で45点合格を実現しています。今の勉強方法で本当に合っているのか分からない方、過去問を何度も解いているのに点数が伸びない方、試験日まで何をどのように勉強すればよいのか分からない方は、お気軽にご相談ください。
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