<目次>
①はじめに
宅建の合格に向けて勉強している人は分野別過去問題集から取り組んでいるかと思いますが、年度別過去問題集はいつから取り組むべきか、予想問題集はやるべきなのか、悩まれている人も多いかと思います。結論から言うと、確実に合格するためには分野別過去問題集、年度別過去問題集、予想問題集全てを確実にしっかり取り組むことが必要です。そこで、今回は分野別過去問題集と年度別過去問題集と予想問題集の3つの違い、取り組むメリット、取り組む順番、時期などを詳しく解説していきます。
②分野別過去問題集とは
分野別過去問題集とは、宅建試験の過去問を分野別、単元別に分類し、それぞれの分野、単元ごとの過去問がまとめられた問題集です。分野別過去問題集は近年の傾向に合わせ、各出版社が合格に向けて取り組む優先順位が高い良質な問題が過去数十年分から選ばれて掲載されています。選ばれる問題は過去10年間のものが多いですが、近年の傾向に合っているものであれば30年以上昔の問題が収録されていることもあります。テキストにもよりますが、基本〜標準レベルの問題が選定されているため応用〜捨て問レベルの問題は掲載されていません。各出版社ごとに考える優先順位の高い問題が収録されているため、全ての分野別問題集が同じ過去問とは限りません。
分野別過去問題集をやるメリット
単元ごとに勉強することができるので自分自身の苦手な単元を集中的に勉強することができ、単元ごとに出題頻度がわかるので勉強の優先順位をつけることができます。まず最初に取り組むべき過去問題集は、分野別過去問題集と言えるでしょう。
③年度別過去問題集とは
年度別過去問題集とは、宅建試験の問題を年度ごとにまとめた問題集です。収録されている年数は各出版社の書籍ごとに異なりますが、概ね過去8年〜過去12年程度です。
年度別過去問題集をやるメリット
本番と同じ形式で収録されているので、実際の試験を想定した勉強をすることができます。例えば制限時間を本番同様の2時間として(5問免除者は1時間50分)取り組み、自分自身の解くスピードが問題が無いかどうか、点数は合格点数に届いてるかどうかなど客観的に把握することができます。また、分野別問題集に収録されていない応用〜捨て問レベルにも取り組むことができるので応用力をつけることができます。
④予想問題集とは
予想問題集とは、各出版社(基本的には資格試験の大手予備校が出版します)がその年の宅建の試験本番で出題される可能性が高いと予測されるオリジナル問題を作成し、本番と同じ形式で試験数回分(基本的には4回分)を収録した問題集です。
予想問題集をやるメリット
年度別過去問題集は古い年度ですと現在と傾向が違ったりすることもありますが、予想問題集はその年の試験の傾向に合わせて作成されるため、より本番に近い形式、難易度で取り組むことができます。特に改正点は分野別過去問題集、年度別過去問集では全く対策できないのに対し、予想問題集ではオリジナル問題として多数収録されているのでしっかり対策することができます。過去問題集ではないので今まで出題されたことがないような角度で問われる問題の対策もすることができます。
⑤取り組む順番や注意点
取り組む順番は分野別過去問題集→年度別過去問題集→予想問題集です。まずは分野別過去問題集で基礎〜標準レベルの良質な問題をやり尽くし、揺るぎない基礎力を身につけてから年度別過去問題集、予想問題集に取り組んでください。なぜなら年度別過去問題集や予想問題集は本番と同じ形式で、基礎力が身についていない段階でやっても身にならず、かつ回数が限れているため無駄に回数を消費してしまうからです。
「分野別過去問題集でやり尽くしてから年度別過去問題集、予想問題集をやる」
これは本当に大切なことで、合否を分ける大事な勉強方法だと言い切ることができます。
「中途半端に全てに手をつけてしまい、消化不良のまま試験本番を迎え、合格点まで1点〜5点足りなかった」
これもよく聞く話です。必ず分野別過去問題集をやり尽くしてください。
具体的に分野別過去問題集をやり尽くすということはどのようなことか、それは過去問で問われた点を答えられれば良いというわけではなく、その過去問の問われた点以外の周辺知識も合わせて勉強することによって、より理解を深め、対応力をつけるということです。
権利関係の意思表示、時効、代理の単元から例題を出題します。
①物事の善悪がまだ判断できない小学一年生は、不動産を所有することができない。
②意思能力を有していない者が土地を売却する意思表示を行った場合、本人が当該意思表示を取り消せば、意思表示の地点から遡って無効となる。
③未成年者が、法定代理人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に法定代理人の同意を得たと信じさせたときであっても、未成年者は当該行為を取り消すことができる。
④債務者が時効の完成を知りながら債務の承認をした場合、その後、債務者はその完成した消滅時効を援用することができる。
⑤夫婦の一方は、個別に代理権の授権がなくとも、他の一方が所有する土地の売却についての代理権を有する。
これらは宅建試験の過去15年以内に出題されたことがない私が作成したオリジナル問題ですが、分野別過去問題集に収録されている基礎レベルの問題の類題です。しっかり分野別過去問題集をやり尽くしている人であれば瞬殺できるはずです。瞬殺できないのであれば、まだ年度別過去問集に入らないでください。
正直なところ本当にやり尽くしているのであれば、年度別過去問題集も予想問題集もやらなくても合格点には届くのですが、人間完璧にこなすことは不可能に近いので、年度別過去問題集、予想問題集をやりましょう。
分野別過去問題集は3分野どの分野から始めても問題はありませんが、宅建オンライン家庭教師では「宅建業法→権利関係→法令上の制限」の順にやることを推奨しております。宅建業法が1番問題の難易度が低く取り組みやすいからです。3分野全ての分野別過去問題集をやり尽くし、年度別過去問題集を始める時は必ず掲載されている1番古い年度から始めてください。なぜなら、新しい年度の方が学習効果が高いため残しておきたいのと、年度別過去問題集をやり始めた時はまずは本番と同じ形式に慣れるということが大切であり、傾向は近年と多少異なっても問題ないからです。
⑥取り組む時期
取り組む時期は、勉強期間が1年や半年の場合は、分野別過去問題集が試験前日の2ヶ月前の8月中旬まで、年度別過去問題集が8月中旬〜9月中旬の1ヶ月、予想問題集が9月中旬〜10月の試験本番までが目安です。もちろん分野別過去問題集をやり尽くしているのであれば、早めに年度別過去問題集、予想問題集をやっても構いませんし、逆にやり尽くしていないのであれば、多少遅らせても分野別過去問題集から離れないでください。
⑦年度別過去問題集の具体的な取り組み方
まずは前述の通り、掲載されている1番古い年度から時間を測って始めてください。最初のうちは本番の試験時間の2時間(5問免除者は1時間50分)を大幅に過ぎても問題ありません。もし1番古い年度で30点を切るようであれば、まだ分野別過去問題集をやり尽くしていないということになりますので、次の年度には進まず間違えた単元を中心に分野別過去問題集に戻ってください。
基本的にはこの「年度別問題集をやる→間違えた単元の分野別過去問題集で復習する」の繰り返しです。この時に年度別過去問題集で応用以上の問題が出た時は応用レベルの問題は新しい知識としてしっかり吸収してください。捨て問レベルであれば取り組まなくても大丈夫です。年度別過去問題集をやっても良いくらい分野別過去問題集をやり尽くしているのであれば、応用レベル、捨て問レベルの問題の判断はできるはずです。
年度別過去問題集を取り組んでいるときには、間違えた問題、解けたけど理解ができているか不安だった問題にチェックを入れるのを忘れずに行ってください。問ごとではなく選択肢レベルでチェックを入れてください。これをすることによって「より学習効果が高いあなただけのオリジナルの問題集」が出来上がります。1年分解き終わるたびにチェックを入れた問題の解き直しをしてください。点数を見て一喜一憂する必要はありません。実力が足りなければ勉強して補えば良いだけです。
35点以上点数が取れるようになったら年度別過去問題集を中心に学習を進めても大丈夫で、全部の年度が一度終わったら、全部の年度のチェックを入れた問題を選択肢レベルで繰り返し復習してください。すでに全部の問題解いているかと思いますので、書き込み等気になる方はもう1冊購入し、チェック問題を選択肢レベルで書き写して繰り返し復習してください。ここまでできれば学習分野別過去問題集だけでは身につけることができなかった応用力まで養成することができ、合格する可能性は高いでしょう。
合格ではなく高得点(40点以上)での合格目指す場合は2冊目を買いましょう。なぜ2冊目を買う必要があるかというと、1冊目の年度別過去問題集はチェックマークが入ってしまっているからです。2冊目を買い、真っ新な状態でもう一度古い年度から50問全部を時間を測ってやってみてください。正しいやり方で学習できてきた人であれば、1時間15分以内で終わり、45点前後は安定して取れているはずです。ここまでできる人であれば誰でも確実に余裕を持って合格することができます。
⑧予想問題集の具体的な取り組み方
年度別過去問題集でチェックをつけた自分だけのオリジナル問題集をやり込む段階に入ったら予想問題集に入っても問題ありません。予想問題集は4回程度収録されているのが一般的であり、素直に掲載されている順に解きましょう。ここまで来たら時間と点数も意識してください。年度別過去問題集で学習できてなかった法改正の問題がしっかり対策できているか確認しましょう。年度別過去問題集までやりこんだ人なら予想問題集でも1時間30分以内、40点以上は安定して取れるはずです。
⑨模試は受けるべきか
模試を受ける目的は客観的に自分の苦手、得意を把握するためです。年度別の過去問でも把握できますから模試は必ず受けなければいけないものではありません。しかし、模試を受けた方が年度別の過去問に入る前に、早期に把握することができますので模試を受けるメリットがないわけではありません。
⑩オススメの書籍
宅建オンライン家庭教師では、オススメの分野別過去問題集、年度別過去問題集、予想問題集を理由とセットで紹介します。
分野別過去問題集
出る順宅建士ウォーク問過去問題集
(東京リーガルマインド)
(例年12月頃発売)

収録されている問題の数、難易度、近年の傾向に合っているかどうかなど様々な点で理想的であり、出る順宅建士合格テキストとセットで勉強することによって効果的な学習をすることができます。
正直どこの大手予備校が出版している分野別過去問題集でも、収録されている問題に大差ないと思っていましたが、LECのウォーク問以外の分野別過去問題集で、あまりにも近年の傾向と異なる問題ばかり収録されていたものがあったので驚いたことがあります。
年度別過去問題集
わかって合格(うか)る宅建士 過去問12年PLUS(プラス)
(TAC出版)
(例年1月下旬頃発売)

過去問12年(14回分)と収録されている過去問がトップクラスに多く、問題と解答が6年分(7回分)ずつの2冊ずつ、合計4分冊で構成されており、切り離して使うことができます。解答用紙も収録されており本番さながら形式で取り組むことができます。統計問題についてはwebからダウンロードすることによって対策することができます。
予想問題集
みんなが欲しかった!宅建士の直前予想模試
(TAC出版)
(例年5月頃発売)

出る順宅建士 当たる!直前予想模試
(東京リーガルマインド)
(例年6月頃発売)

予想問題集は多数あり、中にはあまりにも難しすぎるものもありますが、この2冊は本番の難易度に近い良質な問題が収録されています。また、この2冊は、1回分ごとに問題用紙を取り外すことができ、より本番に近い形式で取り組むことができます。予想問題集でしっかり法改正の問題や統計問題の対策をしましょう。
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