宅建試験は50問すべてで満点を目指す必要はありません。年度によって合格点は変わりますが、合格するためには「どの科目で何点取るのか」を考えながら勉強することが重要です。また、35点から40点、40点から45点へ伸ばす方法も科目によって異なります。宅建業法のように基礎・標準レベルの取りこぼしを減らすことで高得点を狙う科目もあれば、権利関係のように高得点になるほど発展問題まで正解する必要がある科目もあります。

この記事では、過去の宅建試験の合格点を確認したうえで、35点・40点・45点を取る場合の科目別(分野別)の目標点数と、それぞれの点数を取るために必要な実力について解説します。

①宅建試験の科目・問題数・問題番号

宅建試験は全部で50問あり、権利関係14問、法令上の制限8問、税・その他3問、宅建業法20問、免除科目5問で構成されています。

試験科目問題数問題番号
権利関係14問問1〜問14
法令上の制限8問問15〜問22
税、その他 3問問23〜問25
宅建業法 20問問26〜問45
免除科目5問問46〜問50
合計50問問1~問50

最も問題数が多いのは宅建業法で20問、次いで権利関係が14問です。この2科目だけで34問を占めるため、合否への影響も大きくなります。ただし、問題数だけを見て勉強時間を決めればよいわけではありません。宅建業法は20問のうち発展レベル以上の問題が多くても0〜1問程度で、基礎・標準レベルをどれだけ取りこぼさないかが重要です。一方、権利関係には難しい問題も含まれるため、同じ正答率を目標にする必要はありません。科目ごとの問題数だけでなく、難易度や得点のしやすさまで考えて目標点を設定します。

➁宅建試験の過去の合格点・合格率

宅建試験の合格点は毎年固定されているわけではなく、問題の難易度などによって変動します。

実施年度合格点(正答率)合格率
2025年(令和7年)33点(66%)18.7%
2024年(令和6年)37点(74%)18.6%
2023年(令和5年)36点(72%)17.2%
2022年(令和4年)36点(72%)17.0%
2021年12月(令和3年12月)34点(68%)15.6%
2021年10月(令和3年10月)34点(68%)17.9%
2020年12月(令和2年12月)36点(72%)13.1%
2020年10月(令和2年10月)38点(76%)17.6%
2019年(令和元年)35点(70%)17.0%
2018年(平成30年)37点(74%)15.6%
2017年(平成29年)35点(70%)15.6%
2016年(平成28年)35点(70%)15.4%
2015年(平成27年)31点(62%)15.4%
2014年(平成26年)32点(64%)17.5%

過去の合格点を見ると、30点台半ばになる年度が多いものの、2020年10月試験では38点、2024年試験では37点まで上がっています。そのため、「例年35点くらいだから35点取れれば大丈夫」と考えるのは危険です。反対に、2025年のように33点まで下がる年度もあります。まず35点を安定して超え、40点前後を目指し、さらに高い完成度を求める場合には45点を目標にするとよいでしょう。

35点・40点・45点では、単純に正解する問題が5問ずつ増えるだけではなく、求められる実力も変わります。35点は全体として基礎・標準レベルを確実に取れる実力、40点になると基礎・標準レベルをさらに高い精度で取りながら発展問題もある程度取れる実力、45点では基礎・標準レベルをほとんど落とさず、発展問題までかなり取れる実力が必要になります。ただし、すべての科目で発展問題を取ることで点数を伸ばすわけではありません。科目ごとの特徴を踏まえて、それぞれの目標点を見ていきます。

③目標点を35点に設定する場合

試験科目問題数目標点
権利関係14問8点
法令上の制限8問5点
税、その他 3問2点
宅建業法 20問16点
免除科目5問4点

35点の場合は、権利関係8点、法令上の制限5点、税・その他2点、宅建業法16点、免除科目4点を一つの目安とします。全範囲を一通り勉強し、基礎・標準レベルの問題を確実に取れる状態になれば、35点程度を取れる実力はついてきます。そのため、この科目別目標点は、それぞれの科目で基礎・標準レベルが身についているかを確認する基準として使えます。

特に宅建業法は20問中16点を目標とします。宅建業法は発展レベル以上の問題が多くても0〜1問程度なので、16点を大きく下回っている場合には、難しい問題が解けなかったことより、基礎・標準レベルに取りこぼしが残っていないかを確認してください。権利関係は14問中8点、法令上の制限は8問中5点を目安とし、まずは基礎・標準レベルを確実に取れる状態を作ります。

また、年度別過去問題集を解いて35点を下回る場合は、そのまま次の年度へ進めるのではなく、一度分野別過去問題集に戻ることをおすすめします。35点を下回っている段階では、基礎・標準レベルに取りこぼしが残っている可能性が高いためです。年度別過去問題集を何年分も解き続けるより、間違いが多かった科目や単元を分野別過去問題集で勉強し直し、基礎・標準レベルを確実に取れる状態にしてから年度別過去問題集に戻った方がよいでしょう。

このとき、どの科目を優先するかを判断するためにも科目別目標点を使えます。たとえば年度別過去問題集で合計33点だったとして、権利関係9点、法令上の制限4点、税・その他2点、宅建業法14点、免除科目4点だった場合、特に法令上の制限と宅建業法を優先して分野別過去問題集で勉強し直します。単に「33点だからあと2点足りない」と考えるのではなく、どの科目で基礎・標準レベルを取りこぼしているのかを見ることが重要です。もちろん得意・不得意があるため、すべての科目で目標点以上を取らなければいけないわけではありませんが、大きく下回っている科目があれば優先順位を高めて勉強しましょう。

④目標点を40点に設定する場合

試験科目問題数目標点
権利関係14問10点
法令上の制限8問6点
税、その他 3問2点
宅建業法 20問18点
免除科目5問4点

40点の場合は、権利関係10点、法令上の制限6点、税・その他2点、宅建業法18点、免除科目4点を一つの目安とします。40点を安定して取るためには、基礎・標準レベルでの取りこぼしをかなり減らしたうえで、科目によっては発展問題もある程度正解できる実力が必要です。

宅建業法は20問中18点を目標とします。宅建業法で16点から18点へ伸ばすために、難しい問題を大量に勉強する必要はありません。発展レベル以上の問題は多くても0〜1問程度なので、基礎・標準レベルの問題をどれだけ取りこぼさずに取れるかが重要です。知識の抜けだけでなく、曖昧な理解や問題文の読み違いによる失点も減らし、18点程度を安定して取れる状態を目指します。

一方、権利関係は14問中10点を目標とします。35点を狙う場合の8点からさらに得点を伸ばすためには、基礎・標準レベルを確実に取るだけでなく、発展問題でもある程度正解する必要があります。法令上の制限も8問中6点を目安とし、まず基礎・標準レベルを確実に取り、出題内容によっては発展問題でも得点できる実力をつけていきます。

税・その他は3問中2点、免除科目は5問中4点を目安とします。問題数の少ない税・その他で無理に3点満点を前提にするより、2点を確保しながら問題数の多い宅建業法や権利関係などで得点を伸ばす方が安定します。40点前後を安定して取れるようになれば、基礎・標準レベルはかなり固まり、必要な科目では発展問題にも対応できる実力がついていると考えてよいでしょう。

⑤目標点を45点に設定する場合

試験科目問題数目標点
権利関係14問12点
法令上の制限8問7点
税、その他 3問2点
宅建業法 20問19点
免除科目5問5点

45点の場合は、権利関係12点、法令上の制限7点、税・その他2点、宅建業法19点、免除科目5点を一つの目安とします。45点を安定して取るためには、基礎・標準レベルではほとんど失点せず、難易度の高い問題が出題される科目では発展問題までかなり取れる実力が必要です。

宅建業法は20問中19点を目標とします。45点を狙う場合でも、宅建業法で特別に難しい問題を大量に勉強する必要はありません。発展レベル以上の問題は多くても0〜1問程度なので、基礎・標準レベルをほぼ取りこぼさず19点を確保し、難しい1問まで取れれば20点を狙うという考え方です。宅建業法で高得点を取るために必要なのは、難しい知識を追い続けることではなく、取れる問題を確実に取る精度を限界まで高めることです。

権利関係は14問中12点を目標とします。ここまで得点するには、基礎・標準レベルを確実に取るだけでは足りず、発展問題についてもかなり高い精度で正解する必要があります。法令上の制限も8問中7点を目安とするため、細かい論点まで含めて取りこぼしを減らします。免除科目は5点満点を狙い、税・その他については45点を目標にする場合でも2点を目安とします。3問しかない税・その他に必要以上の勉強時間を使って3点目を取りにいくより、他の科目で45点に到達できる実力を作る方がよいでしょう。

45点を目指す大きなメリットは、本試験で多少失敗しても合格点を下回りにくい実力をつけられることです。「今年は絶対に合格したい」という方が45点を目標として勉強するのは十分に合理的です。この段階まで来れば、基礎・標準レベルはほとんど落とさず、発展問題もかなり取れるようになります。それでも正解することが難しい一部の捨て問については、選択肢を絞ったうえで最後は運に任せるくらいで構いません。

⑥科目別の目標点はあくまで目安

ここまで35点・40点・45点の場合の科目別目標点を示しましたが、全員がこの配点どおりに取らなければいけないわけではありません。たとえば40点を目標とする場合でも、権利関係が得意な方であれば権利関係で11点取り、宅建業法が17点でも合計40点に届きます。反対に権利関係が苦手でも、宅建業法や法令上の制限などで高得点を取ることで補える場合があります。重要なのは、科目別の目標点そのものを絶対的な基準にしないことです。同じ「あと3点足りない」という受験生でも、宅建業法が13点しか取れていない人と、宅建業法18点・権利関係5点の人では、優先して勉強すべき内容はまったく違います。

さらに、同じ失点でも原因によって必要な勉強は変わります。知識がなくて間違えたのか、理解が曖昧だったのか、問題文を読み違えたのか、発展問題だけを落としているのかまで確認してください。特に宅建業法のように発展レベル以上がほとんど出ない科目と、権利関係のように難しい問題も含まれる科目では、同じ2問の失点でも意味が違います。「あと何点足りないか」だけではなく、どの科目のどのレベルの問題をなぜ間違えたのかを確認したうえで、勉強の優先順位を決めることが重要です。

⑦まとめ

宅建試験では、合計点だけではなく科目別の点数を見ることで、現在の実力とこれから優先して勉強すべき内容が分かりやすくなります。

35点は、全体として基礎・標準レベルを確実に取れる実力がついているかを確認する一つの目安です。年度別過去問題集で35点を下回るのであれば、そのまま年度別過去問題集を進めるのではなく、分野別過去問題集に戻り、目標点を下回っている科目や間違いの多い単元を優先して勉強し直しましょう。40点を安定して取るには、基礎・標準レベルの精度をさらに高め、必要な科目では発展問題も取れる実力が必要です。45点では、基礎・標準レベルをほとんど落とさず、権利関係などでは発展問題までかなり取れる状態を目指します。

ただし、高得点への伸ばし方は科目によって異なります。宅建業法は難しい問題を追うのではなく、基礎・標準レベルの取りこぼしを減らして16点から18点、19点へ伸ばしていく科目です。一方、権利関係で8点から10点、12点へ伸ばすには、得点が上がるほど発展問題への対応も必要になります。単純な合計点だけではなく、科目ごとの特徴と自分の失点内容を確認しながら勉強を進めていきましょう。

⑧宅建オンライン家庭教師の完全個別指導

科目別の点数を確認しても、「なぜ点数が伸びないのか」「どこから勉強し直すべきなのか」を自分で判断するのが難しい場合もあります。宅建オンライン家庭教師では、完全マンツーマンで現在の知識や理解度、問題の解き方まで確認し、必要な内容を個別に指導しています。決められたカリキュラムを全員が同じように進めるのではなく、現在の実力や苦手分野、試験までの期間に応じて、優先して勉強する内容を決めていきます。すでに独学や通信講座で勉強している方でも、現在使っている教材や勉強を活かしながら受講できます。

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