宅建の勉強は、何をやるかより「どうやって取り組むか」で伸び方が決まります。分野別に取り組んでいるのに点数が伸びない。年度別に移った途端に点が下がった。
こういう人は知識不足ではなく、正しい勉強方法ができていないだけです。
この記事では、分野別過去問題集の正しい取り組み方と、年度別に進む基準・戻り方までをまとめます。独学で進めたい方も、この通りにやれば迷わず進められます。
まず結論(ここだけ読めばOK)
・宅建は分野別テキスト+分野別過去問題集から始める
・進め方は「1単元ごとにインプット → アウトプット」を繰り返すだけ
・年度別に進むのは、分野別を9割以上、理由まで瞬殺できてから
<目次>
①よくある疑問への即答
Q. 宅建の分野別は何から始める?
A.宅建業法 → 法令上の制限・税・その他 → 権利関係の順番を推奨しています。
Q. 宅建の分野別は何周する?
A. 5周〜10周が目安ですが、回数より正しい勉強方法ができているかが重要です。
Q. 年度別はいつから?
A. 分野別を9割以上、理由まで瞬殺できる状態になってからです。
Q. 分野別をやっているのに伸びないのはなぜ?
A. 回数不足ではなく、正しい勉強方法で取り組めていないことが原因です。
Q. 宅建の分野別は独学でも大丈夫?
A. 正しい勉強方法で取り組めるなら可能ですが、やり方を間違えると何周しても伸びません。
➁なぜ最初に分野別なのか
宅建の勉強は、分野別テキスト+分野別過去問題集から始めるのが鉄則です。
分野別は「宅建業法」「法令上の制限・税・その他」「権利関係」の3分野に分かれており、各分野にテキストと過去問があるため、合計で6冊になります。この6冊をしっかりやりこんでください。6冊セットで出ているものであれば、基本的にどの大手予備校の教材でも問題ありません。
勉強は1単元ごとに、
テキストでインプット → 過去問でアウトプット
を繰り返します。この流れにすると、覚えた直後に確認できるため、抜けや勘違いがその場で見つかり、効率よく前に進められます。
また、分野別過去問題集には近年の出題傾向を踏まえ、その年の試験で重要になりやすい過去問が収録されています。
収録問題は基礎〜標準レベルが中心で、発展レベルや捨て問レベルは原則として載っていません。だからこそ、最初に基礎を固めるのに向いています。
一方、年度別から始めると、単元をインプットした後に年度別の中から該当単元の問題を探す手間がかかります。さらに発展問題にも手を出すことになりやすく、学習効率が落ちます。
やる範囲は全問が原則
初学者は、基本的に全問に取り組んでください。分野別過去問題集は基礎〜標準レベルの問題が中心に収録されているため、まずは一通り触れることが重要です。
科目順は「業法→法令→権利」で進める
分野別の順番に絶対的な決まりはありませんが、私のおすすめは宅建業法→法令上の制限・税・その他→権利関係(民法)です。
この順番をおすすめする理由は、宅建業法が3分野の中で最も取り組みやすく、勉強のリズムを作りやすいからです。一方、権利関係は理解に時間がかかりやすく、最初に取り組むと手が止まりやすくなります。そのため、最後に取り組むのが効率的です。
③分野別の取り組み方
分野別の目的は正しい勉強方法で基礎をしっかり固めることです。分野別に取り組み始めた段階では、正解率を意識する必要はありません。
回数は目安としては5周〜10周ですが、回数そのものに意味はありません。
初学者の進め方
1単元ごとに、「テキストでインプット → テキストを見ながら過去問を解く」を繰り返します。1周目はテキストを見ながらでも構いません。大事なのは、なぜ○なのか/なぜ×なのか、その根拠まで考えてから解答を出すことです。
具体例として、宅建業法で最初に学ぶ「宅建業の免許」の単元を、過去問を使って解説します。
宅地建物取引業の免許について正しい選択肢はどれか。
1.A社が、都市計画法に規定する用途地域外の土地であって、ソーラーパネルを設置するための土地の売買を媒介しようとする場合、免許は必要ない。
免許が必要かどうかは、必ず次の3つの順番で判断します。
1. 宅地または建物か
2.取引に当たるか
3.業としてか
この3つすべてに当てはまる場合は免許が必要。1つでも当てはまらなければ免許は不要です。この順番で当てはめると、結論は自然に出ます。以下が解答のプロセスです。
『用途地域外の土地でソーラーパネルを設置するための土地は宅地に該当しないので、免許不要。したがって〇。』
よく見てください。解答のプロセスで〇か×は最後に出ています。問題を解くときは法律の要件に当てはめて結論を出すので、当てはめが終わらない限り解答は導けないはずです。何周目であってもこの解答プロセスは変わりません。
つまり、「〇っぽい、×っぽい。でもなんでだろう」「○なのは答え覚えちゃったからわかるけど、理由はわかんないや」には絶対になりません。どうやってもなりません。100回以上解いてる私でさえなりません。
(ここから先はさらに強めに言います。)
本当にごく一部の方ですが、こうした考えを一切せずに、「うーん、不動産会社っぽい仕事!これは〇!」のように、何も考えずに解答を出す人がいます。本当にいます。これでは一生合格できません。きちんと勉強している人であれば、必ず解答の根拠が言えるはずです。
最初の2〜3周は、以上のような形で過去問を解いてください。無理にテキストから離れず、テキストを見ながらで構いません。
1周目からテキストを少し読んだだけで、問題を解くときテキスト見ずに要件まで完璧に当てはめて答えを出せる人がいたら、それはただの天才です。
何度も何度も、正しい勉強方法で解いてください。繰り返すうちに、少しずつテキストを見ずに判断できる問題が増えてきます。一般的な目安は3周目〜5周です。
テキストから離れて答えを導けるようになってきたら、間違えた問題や、なんとなくで解いた問題だけテキストで要件を確認してください。さらに繰り返すと、答えを導き出す過程が一瞬で出てくるようになります。ここまで来るための目安は5周〜10周です。
学習経験者の進め方
学習経験者も、取り組み方は変わりません。必ず基礎からやり直してください。
学習経験者は多少の基礎があるはずなので、初学者より回数は減ると思います。
分野別で伸びない人の特徴
分野別で伸びない人は、回数が足りないのではありません。多くの場合、正しい勉強方法で取り組めていないだけです。先ほど解説した「正しい勉強方法」をもう一度読み、自分の普段の取り組み方と照らし合わせて修正してください。
これができれば、必然的に伸びてきます。
④分野別の完成目安
分野別が仕上がったかどうかを、感覚で判断すると失敗します。いちばん多いのが、まだ完成していない状態で次に進み、点が崩れるパターンです。ここでは、分野別が仕上がったと言える基準と、未完成だった場合の判断基準を具体化します。
分野別が仕上がったかの基準
分野別が仕上がったかの基準(次に進んでいい基準)は、次の2つです。
① 分野別:9割以上を「理由まで」瞬殺できる
ここでいう9割以上は、次の状態を指します。
・1単元20問なら18問以上を、止まらずに判断できる
・正解・不正解だけでなく、根拠(要件)を言える
・「なんとなく正しい気がする」ではなく、要件→結論の順番で答えが出ている
② 迷った問題も「勘」ではなく「要件→結論」で出せる
迷うこと自体は問題ではありません。問題なのは、迷ったときに「勘で選ぶ」ことです。迷った問題でも、
(要件に当てはめる)→(結論が出る)
この順番が崩れていないなら、年度別に進んで大丈夫です。
※逆に、分野別を何周していても「勘で当てた」が混ざるうちは、年度別に進むのは早いです。結局、戻ることになります。
次に進んだ後に戻る判断基準
年度別は、分野別よりも問題の難易度が幅広くなります。そのため、年度別に入った後も「分野別に戻る判断基準」を決めておくと、迷いがなくなります。分野別に戻る基準は次の3つです。
・年度別で35点未満が出る
・同じ単元で「なんとなく」が続く
・間違いの原因が言語化できない(なぜ間違えたか説明できない)
特に、35点未満が出た場合は、年度別を続けても伸びにくいです。その単元は分野別に戻り、基礎(要件の当てはめ)を固め直した方が早いです。
年度別に進んだ後の具体的な進め方は、別記事でまとめています。そちらもご覧ください。
→ 【宅建】年度別過去問題集はいつから始める?予想問題集はやるべき?
⑤間違いの直し方ルール
分野別で伸びない人は、間違えた問題の直し方が曖昧なことが多いです。「解説を読んで分かった気になる」だけでは、何周しても点数は安定しません。
間違いの原因は3つ
間違いの原因は、大きく分けると次の3つです。
1. 知識不足(要件を覚えていない/思い出せない)
2. 手順ミス(勘で選んだ/根拠が言えない)
3. 読み違い(条件を落とした/主体や場面を取り違えた)
どれに当てはまるかを厳密に判断する必要はありません。間違えた時点で、直すべきことは決まっています。
直し方は同じ
間違えた問題は、次の順番で直してください。
1. テキストで根拠(要件)を確認する
「読んだ」で終わらせず、なぜ〇なのか/なぜ×なのかを説明できる状態にします。
2. 要件→結論の順で解き直す
- 要件は何か
- その要件に当てはまるか
- だから〇か×か
正解でも、勘で当たったなら解き直してください。そのままだと本試験で再現できません。
⑥まとめ
分野別過去問題集は、宅建の土台です。
・出題範囲を確認
・「要件→結論」の解答プロセスを定着させる
・年度別に入った後も、苦手単元の潰し直しに使う
回数そのものが重要なのではありません。普段の勉強で、毎回「要件→結論」で答えを出せているか。伸びるかどうかはここで決まります。
年度別に進む基準も1つだけです。分野別の問題を9割以上、理由まで瞬殺できる状態になっているかどうかです。ここに届いていないなら、年度別に進んでも結局分野別に戻ります。
独学で伸びない原因もはっきりしています。
多くの場合、知識不足ではなく取り組み方の問題です。テキストの使い方、解説の読み方、過去問の解き方がズレていれば、どれだけ回しても伸びません。正しく取り組めているかどうかは、点数ではなく普段の解き方を見れば分かります。
無料相談のご案内
分野別をどれだけ取り組んでも伸びない人は、知識ではなく 解き方そのものが間違っている ことが多いです。そして、この「解き方のクセ」は、自分では気づきにくいのが問題です。
無料相談では、あなたの普段の解き方を実際に見たうえで、次の2つをその場で確認します。
1.解き方のチェック 要件の当てはめ方・迷ったときの判断・解説の読み方など、普段の解き方が正しいかを確認します。
2.今日からどう進めるかの提案
どの単元をどの順番で進めるか、どこを復習すべきかを明確にします。
宅建は「量」ではなく やり方 で伸び方が決まります。独学で進めていて不安がある方は、一度、今の解き方が正しいかだけ確認してください。
ここが整えば、必ず伸びます。
