宅建の勉強では、テキストを一通り勉強し、分野別過去問題集を何周もして基本問題は解けるようになったのに、年度別過去問や模試になると点数が伸び悩む人がいます。その原因の一つは、法律を理解せず、過去問の答えや結論を丸暗記していることかもしれません。

宅建試験は年々難化しており、昔のような型にはまった基礎レベルの問題を押さえるだけでは合格が難しくなっています。基本問題を確実に取ることは大前提ですが、そのうえで発展問題をどこまで取れるかが合否の分かれ目です。基本問題を落とさず、発展問題までしっかり取れる状態まで仕上げることができれば、合格を確実なものにできる40点を切らなくなります。

この記事では、基本問題は解けるのに年度別過去問や模試になると点数が伸び悩む方を対象に、私の長年の個別指導の経験をもとに、実際の過去問を使ってその原因と勉強方法を解説します。基本問題に加え、特に法律の理解が必要な発展問題を中心に、どの知識を使い、どのように考えて正解を導くのかまで具体的に見ていきます。

①権利関係

権利関係では、民法の知識量を増やすだけでなく、問題文から使う知識を正確に選び、法律の考え方を身につけることが重要です。

令和6年 問1

法律行為に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 営業を許された未成年者が、その営業に関する意思表示をした時に意思能力を有しなかった場合は、その法律行為は無効である。

この問題では、「営業を許された未成年者」とあり、一見すると制限行為能力者の問題かと思います。営業を許された未成年者とは、その営業に関して成年者と同一の行為能力を有する人のことです。そのため、この知識を覚えていると、「営業を許されているのだから有効」と判断したくなるかもしれません。しかし、この肢で問われているのは行為能力ではなく意思能力です。

行為能力と意思能力は別の概念であり、分けて考えなければなりません。今回は意思能力について聞かれている問題です。意思能力を有しない者がした法律行為は無効です。したがって肢1は○です。この問題で必要なのは難しい知識ではありません。「営業を許された未成年者の行為能力」と「意思能力」という基本知識を区別し、この問題ではどちらが問われているのかを正確に特定することです。

令和7年 問8

A、B及びCがそれぞれ3分の1の持分の割合で甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、甲土地を分割しない旨の契約は存在しないものとする。

2 Aが甲土地についての自己の持分を放棄した場合には、その持分は国庫に帰属する。

共有者が自分の持分を放棄した場合、その持分は他の共有者に帰属します。この知識を正確に覚えていれば、そのまま×と判断できます。では、本試験で「国庫だったか、他の共有者だったか」が曖昧になったらどうするか。完全な二択にして勘で答える前に、肢2が○だと仮定してみます。

A・B・Cが土地を3分の1ずつ共有していて、Aが自分の持分を放棄しただけで国庫に帰属するのであれば、その瞬間から国・B・Cが土地を共有することになります。そうなれば、その後この土地について管理行為や変更行為をするときにも、国との関係を考えなければなりません。Aが持分を放棄しただけで、BとCはそれまで何の関係もなかった国と土地を共有することになります。国と共有するのはおかしいと分かれば明確に×だと判断できます。「他の共有者に帰属する」という正確な知識を知らなくても、覚えていなくても解くことができます。

令和5年 問3

Aを注文者、Bを請負人として、A所有の建物に対して独立性を有さずその構成部分となる増築部分の工事請負契約を締結し、Bは3か月間で増築工事を終了させた。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、この問において「契約不適合」とは品質に関して契約の内容に適合しないことをいい、当該請負契約には契約不適合責任に関する特約は定められていなかったものとする。

1 AがBに請負代金を支払っていなくても、Aは増築部分の所有権を取得する。

この問題が×だとすると、増築部分の所有権はBにあることになります。しかし、問題文には増築部分について「独立性を有さずその構成部分となる」とあります。ここが重要です。増築部分は独立した一つの建物ではなく、すでにAが所有している建物と一体になっています。それにもかかわらず増築部分だけをBが所有すると考えると、Aが所有する建物の一部分だけをBが所有することになります。

問題文がわざわざ「独立性を有さずその構成部分となる」としている意味まで考えれば、増築部分はA所有の建物の一部となり、Aがその所有権を取得すると判断できます。したがって肢1は○です。法律の結論だけを覚えるのではなく、問題文に与えられた条件が何を意味し、その条件によって法律関係がどう変わるのかまで考えることが重要です。

令和5年 問4

AがBに対して貸金債権である甲債権を、BがAに対して貸金債権である乙債権をそれぞれ有している場合において、民法の規定及び判例によれば、次のアからエまでの記述のうち、Aが一方的な意思表示により甲債権と乙債権とを対当額にて相殺できないものを全て掲げたものは、次の1から4のうちどれか。なお、いずれの債権も相殺を禁止し又は制限する旨の意思表示はされていないものとする。

ア 弁済期の定めのない甲債権と、弁済期到来前に、AがBに対して期限の利益を放棄する旨の意思表示をした乙債権
イ 弁済期が到来している甲債権と、弁済期の定めのない乙債権
ウ 弁済期の定めのない甲債権と、弁済期が到来している乙債権
エ 弁済期が到来していない甲債権と、弁済期が到来している乙債権

1ア、イ、ウ  2イ、ウ  3ウ、エ  4エ

この問題を解くには、まず相殺できる状態(相殺適状)とはどういう状態なのかを理解している必要があります。自分が相手に持っている債権(自働債権)は、まだ相手に期限の利益があるのであれば、相手の期限の利益を害する相殺はできません。一方、自分に向けられた債権(受働債権)について自分が持っている期限の利益は、自分の利益なので自分で放棄して構いません。つまり、相手の期限の利益を害する相殺はできないが、自分の期限の利益は自分で放棄できる。ここを理解していれば、相殺の問題はかなり見やすくなります。

次に「弁済期の定めのない債権」をどう考えるかです。期限の定めがない以上、そもそも期限の利益がありません。ここは知っておきたい知識ですが、周辺知識なので知らなくても仕方ない部分もあります。ここまで分かれば、あとはア〜エについて、自分が持っている債権について相手の期限の利益を害することになるかだけを見れば解けます。自分に向けられた債権(受働債権)については、自分の期限の利益は自分で放棄できるため、基本的に考える必要はありません。エでは、Aが持っている甲債権の弁済期がまだ到来していないため、Bの期限の利益を害することになり、相殺できません。したがって正解は4です。

「自働債権」「受働債権」「相殺適状」という言葉自体を覚えているかが重要なのではありません。期限の利益は過去問でも何度も出てくる基本的な知識です。その期限の利益を本当に理解し、相殺できるかどうかを判断するために使えるか。さらに「期限の定めのない債権には期限の利益がない」という周辺知識まで使えるか。この問題ではそこまで要求されています。

➁法令上の制限

法令上の制限は、面積・高さ・期間など数字を覚える場面が多い分野です。しかし、数字だけを切り離して覚える必要はありません。「なぜこの数字なのか」「なぜこの期間なのか」まで考え、制度の目的や規制の理由と結びつけて覚えることが重要です。

令和6年 問19

宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市及び中核市にあってはその長をいうものとし、地方自治法に基づく施行時特例市に係る経過措置については考慮しないものとする。

3 工事主は、宅地造成等工事規制区域において行われる宅地造成等に関する工事について、工事着手後2週間以内に、宅地造成等に関する工事の施行に係る土地の周辺地域の住民に対し、説明会の開催その他の当該宅地造成等に関する工事の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならない。

この問題は、周辺住民への説明会や周知について勉強しておらず、この知識を知らなかったとしても解くことができます。まず、「周辺住民に工事内容を周知するための措置を講じること自体が本当に義務なのか」と考えます。もしそのような義務がないのであれば、この時点で肢3は×です。

では、周辺住民への周知が必要だと仮定したらどうでしょうか。肢3では「工事着手後2週間以内」とされています。しかし、周辺住民に工事内容を知らせるための制度なのであれば、何も知らせないまま工事を始め、その後に説明しても遅いはずです。周知が必要なのであれば、工事を始める前に行うと考えるのが自然です。つまり、周辺住民への周知が必要でないなら×、必要だとしても「工事着手後2週間以内」では遅いので×です。どちらに考えても肢3は誤りだと判断できます。

実際には、許可申請をするときに、あらかじめ周辺住民に工事内容を周知するための措置を講じなければなりません。このように、本試験で知らない知識が出てきても、問題文の内容から制度の目的や結果を考えることで、正解を導ける問題があります。

令和4年 問17

建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 法の改正により、現に存する建築物が改正後の法の規定に適合しなくなった場合には、当該建築物は違反建築物となり、速やかに改正後の法の規定に適合させなければならない。

解答が○だと仮定します。建物を建てた時点では、その当時の建築基準法を守っていました。その後に法律が改正された。それだけで、昨日まで適法だった建物が今日から違反建築物になり、全国の建物所有者が、自分に何の落ち度もなくても、建物を壊したり新しい基準へ適合させるための工事をしなくてはいけなくなります。これでは、建築基準法が改正されるたびに、既存建物の所有者に大きな負担が生じます。

法改正によって現在の規定に適合しなくなったとしても、それだけで直ちに違反建築物になるわけではなく、いわゆる既存不適格建築物となります。したがって肢1は×です。法令上の制限でも、結論や数字だけを覚えるのではなく、制度の目的や規制の理由まで理解することが重要です。「なぜそうなっているのか」まで考えて勉強すれば、正確な知識を忘れたときや初めて見る問題でも、そこから正解を導き出せることがあります。

③宅建業法

宅建業法も、条文の結論や数字、期間だけを覚えるのではなく、「なぜその規定があるのか」まで理解することが重要です。例えば35条書面の説明事項も、すべてをバラバラの知識として丸暗記や語呂合わせで覚える必要はありません。35条の重要事項説明は、買主や借主が契約するかどうかを判断するために、重要な情報を契約前に説明する制度です。そこで、「この買主・借主にとって、この情報は契約前に知っておく必要があるか」と考えることができれば、確実に正解することができます。

令和7年 問37

宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。

1 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が都市計画法の準防火地域内にあり、建築基準法第61条第1項に基づく建物の構造に係る制限があるときは、その概要を説明しなければならない。

まず見るべきなのは「建物の貸借」です。準防火地域における建物の構造に関する制限は、これから土地に建物を建てようとしている人であれば重要です。どのような建物を建築できるのかに直接関係するからです。しかし、この問題の相手方は、すでにある建物を借りる人です。建物を借りるだけの人は建物を建てることはありませんので説明不要です。したがって肢1は×です。

令和7年 問43

宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。

イ 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が建築工事の完了前のものであるときは、その完了時における当該建物の主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造について説明しなければならない。

完成している建物であれば、実際に建物や部屋を見てから借りるかどうかを決められます。しかし、建築工事が終わっていなければ、それができません。例えば、完成してみたら建物の外壁がピンクだった、部屋の中の壁紙が真っ赤だった、5階建ての5階の部屋を借りたのにエレベーターがなかったとします。外壁の色や室内の仕上げ、エレベーターなどの設備は、借りるかどうかの判断に直接影響する情報です。完成済みの建物なら自分で確認できますが、未完成の建物では確認できません。そのため、完成後にどのような構造・仕上げ・設備になるのかを契約前に説明する必要があります。したがってイは○です。

ウ 建物の貸借の媒介を行う場合、敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項を説明しなければならない。

賃貸借契約では、家賃以外にもさまざまな名目のお金が出てきます。敷金、礼金、保証金、権利金、ハウスクリーニング代などです。名称だけを見ても、何のために支払うお金なのか、返ってくるのか返ってこないのか、いつ請求されるのか、契約終了時に何が差し引かれるのか分からないものもあります。

例えば「保証金10万円」と書かれていても、退去時に全額返ってくるのか、一部を差し引いて返ってくるのか、返ってこないのかでは意味がまったく違います。ハウスクリーニング代についても、いつ、どのような条件で負担するのかによって借主の負担は変わります。何のお金なのか。返ってくるのか、返ってこないのか。いつ請求されるのか。契約終了時にどう精算されるのか。これらが曖昧なまま契約すれば、金銭をめぐるトラブルにつながります。そのため、契約終了時に精算する金銭については、後から「そんな条件だとは知らなかった」というトラブルにならないよう、契約前に説明する必要があります。したがってウは○です。

35条書面では、説明事項を一つずつ独立した知識として丸暗記するのではなく、「この情報を契約前に説明する必要があるのはなぜか」まで考えることが重要です。理由までしっかりと理解すれば、一部を除いてほとんどの問題で解答を導き出すことができます。

35条書面についての覚え方は以下の記事で詳しく説明しています。
【宅建】35条書面(重要事項説明)の覚え方を徹底解説!【丸暗記不要】

④過去問を何周しても点数が伸びない原因

ここまでの過去問では、問われている知識を特定したり、肢が正しいと仮定して法律関係を考えたり、基本知識や制度の目的から結論を導いたりしています。これらに共通しているのは、過去問の答えそのものを思い出して解いているわけではないことです。同じ問題を何周もしていれば、「この問題は○」「この問題は×」と覚えることはできます。分野別過去問題集なら、今どの単元を勉強しているのかも最初から分かっています。その状態では高い正答率を取れても不思議ではありません。

ところが本試験では、見たことのない聞き方をされたり、複数の基本知識を組み合わせられたり、問題文の条件から考えさせられたりします。そのとき必要なのは、過去問の答えを思い出す力ではありません。何の知識を使うのかを自分で特定し、その知識の意味を理解したうえで、目の前の問題に使う力です。ここに、丸暗記だけでは本試験に対応できず、点数が伸び悩む原因があります。過去問を10周しても、答えを思い出して○×を付けるだけなら、この力は十分には身につきません。

逆に、同じ過去問でも「どの法律知識を使うのか」「なぜその結論になるのか」「条件が変わったらどうなるのか」まで考えて解けば、本試験で使える知識に変わっていきます。宅建試験に合格するための勉強とは、ただやみくもに過去問を解くことではありません。

⑤丸暗記から抜け出すための宅建の勉強方法

丸暗記で伸び悩んでいる方は、まず何となくで問題を解くのではなく、正しい勉強方法を身につける必要があります。基本的には、これまで使ってきたテキストと分野別過去問題集で問題ありません。

まずは分野別過去問で「どの知識を問われているか」を特定する

分野別過去問題集の1〜3周目くらいまでは、テキストを開きながら解いて構いません。問題を読んで何の話か考え、分からなければテキストから該当ページを探します。そして、「この問題は、このページに書かれているこの知識・要件について聞いている」と確認します。

例えば令和6年問1肢1なら、「未成年者の問題」で終わりではありません。営業を許された未成年者の行為能力と意思能力のどちらを問われているのかまで特定します。答えが×だったとしても、「この肢は×」と覚えて終わりにしません。どの知識を使い、どの要件を満たしていないから×になるのかまで確認します。「なんとなく○」「理由は分からないけど×っぽい」「前に解いたとき○だった気がする」で正解しても、それでは本試験で使える知識になっていません。この段階で重要なのは、問題文とテキストに書かれている法律の知識を結びつけることです。

必ずテキストのどのページのどこの話をしているのか、実際にテキストを開いて特定してください。テキストのどこの話をしているか分からないけど○だろう、そんな勉強方法はあり得ません。

結論だけでなく「なぜそうなるのか」まで理解して解く

問題と法律の知識を結びつけたら、その結論になる理由まで確認します。なぜ35条でその情報を説明する必要があるのか。なぜこの場合は相殺できないのか。なぜ法改正後も既存の建物が直ちに違反建築物にならないのかなどを確認します。

宅建のテキストに法律の要件や結論は載っていても、その理由まですべて書かれているとは限りません。その場合は、ネットで調べるなどして理由まで確認します。もちろん、分からない知識が出てくるたびに、一つずつ理由を調べるのはかなり大変です。それでも、「テキストに理由が書いていないから、ここは何となく覚えればいい」で終わらせてはいけません。

法律には、その結論になる理由があります。なぜその制度があるのか、誰を保護するための規定なのか、なぜこの場合は○で別の場合は×になるのか。数字や期間であれば、なぜその数字なのか、なぜその期間なのか。そこまで考えてください。理由付けが難しく、そのまま覚えるしかない知識は、税の免税点など本当にごく一部です。結論や解答だけを覚えていれば、覚えた形の問題には対応できます。しかし、条件や聞き方を変えられたときに、同じ法律知識を使えなくなります。理由を理解せずに覚えているから、角度を変えられた問題に対応できなくなるのです。

4周目以降を目安にテキストを見ずに説明できる状態を目指す

1〜3周程度繰り返して、問題を見たときにテキストのどこの話をしているのか分かり、その結論になる理由まで理解できるようになったら、4周目以降を目安に、テキストを見なくても解ける状態を目指します。ただし、「4周やったから完成」「5周やったら次に進む」と周回数だけで判断してはいけません。必要な周回数は人によって違いますし、同じ人でも単元ごとに違います。5周で終わる単元もあれば、10周以上必要な単元もあります。

「過去問は○周すれば合格できる」というネットにある根拠不明の数字だけを鵜呑みにする必要はありません。判断基準は、テキストを見なくても法律の要件を正確に言えて、その要件を問題文に当てはめ、なぜ○なのか、なぜ×なのかを論理的に説明できるかどうかです。10周していても、20周していても、「前に解いたとき×だったから」「何となくこっちだった気がする」で答えているなら、宅建試験に合格するための勉強としては不十分です。反対に5周でも、法律の要件を正確に覚え、それを使って論理的に回答できるのであれば、その単元については十分です。

目標は周回数ではありません。テキストなしで法律の要件を言える。その問題で使う知識を特定できる。その知識を問題文に当てはめて、○×の理由まで説明できる。この状態を目指します。

分野別で身につけた知識を年度別過去問で使う

分野別過去問題集で基本問題を安定して取れるようになったら、年度別過去問に進みます。分野別過去問では、最初から何の分野を勉強しているのか分かっています。相殺のページを解いていれば相殺の知識を使えばよく、共有のページを解いていれば共有の知識を使えばよいからです。しかし、本試験では問題文を読んで、自分で論点を特定し、これまで覚えた知識の中から使うものを選ばなければなりません。

年度別過去問では、単に50問を解いて点数を出すだけではなく、基本知識だけではすぐに判断できない問題に出会ったときに考える練習をします。まずは基礎的な問題をしっかりと取る。そのうえで、分野別過去問題集に載っていない発展問題についてどう点数を取っていくか考えます。その肢が○だと仮定したら何が起きるのか。問題文にこの条件がなぜ書かれているのか。その制度は何のためにあるのか。以前に勉強した基本知識を別の論点でも使えないか、と考えます。

前半で紹介した問題は、それぞれ特別な解法を暗記するためのものではありません。基本問題では理由まで理解することの重要性を、発展問題では身につけた基本知識をどう使うのかを示した例です。宅建試験では、基本問題を確実に取れることが前提です。しかし、それだけでは合格は安定しません。基本問題を取れるようになった後、発展問題をどこまで取れるかが合否の分かれ目です。基本問題を落とさず、ここまで紹介してきたような発展問題までしっかり取れる状態まで仕上がれば、年度別過去問や模試でも40点を切らなくなり、確実に合格することができます。そこまで仕上げることを目標に勉強してください。

⑥まとめ

分野別過去問題集では正解できるのに、年度別過去問や模試になると点数が伸びないのであれば、過去問の答えや結論を覚える勉強になっていないか、一度確認してみてください。

宅建試験で必要なのは、過去問を何周したかではなく、過去問で身につけた知識を初めて見る問題でも使えるかどうかです。問題文から使う知識を特定し、なぜその結論になるのかを理解したうえで、条件に当てはめて判断できる状態を目指します。宅建で学ぶ知識には、基本的に理由があります。結論だけを覚えるのではなく、「なぜそうなるのか」まで考えてください。数字や期間についても同じです。理由付けが難しく、そのまま覚えるしかない知識は、税の免税点などごく一部です。

そのためには、まず分野別過去問題集で基本知識を確実に身につけ、テキストを見なくても○×の理由まで説明できるようにします。そのうえで年度別過去問に進み、問題文の条件や制度の目的、これまで身につけた基本知識を使って発展問題まで考える練習をします。過去問の答えを覚えることが目的ではありません。過去問を使って法律を理解し、そこで身につけた知識を本試験で使えるようにすることが目的です。

基本問題を確実に取り、さらに発展問題まで取れるようになれば、年度別過去問や模試でも40点を切らなくなり、確実に合格することができます。過去問の正答率や周回数だけを見るのではなく、初めて見る問題でも自分で考えて正解を導ける状態まで仕上げることを目標にしてください。

⑦宅建の勉強でお困りの方へ

独学や通信講座で勉強しているものの、過去問を何周しても点数が伸び悩んでいる方もいると思います。法律の理由まで理解しようとしても、テキストや講義ですべてが詳しく説明されているとは限らず、分からない部分を一つひとつ自分で調べるのも大変です。

宅建オンライン家庭教師では、完全1対1の授業で、テキストや講義だけでは分かりにくい法律の理由まで詳しく解説します。また、問題を解く過程まで確認し、理解できていない部分や間違った考え方があればその場で修正します。授業で語呂合わせは一切使いません。

「独学や通信講座で勉強しているけれど点数が伸びない」「基本問題は解けるのに発展問題になると解けない」という方は、宅建オンライン家庭教師の個別指導をご検討ください。

▼無料相談はこちら
宅建オンライン家庭教師に相談する(無料)