
宅建の勉強では、一度理解した内容でも時間が経てば少しずつ忘れていきます。だから復習は必要ですが、毎日同じ問題を繰り返せばいいわけではありません。昨日解いた問題を今日もう一度解けば正解しやすくなりますが、それだけでは1か月後、3か月後、本試験当日まで知識が残っているとは限りません。
宅建の復習で重要なのは、最初は短い間隔で復習し、
①エビングハウスの忘却曲線とは
エビングハウスの忘却曲線とは、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが行った記憶に関する実験をもとにしたものです。人は一度勉強したことでも、時間が経つにつれて少しずつ忘れていきます。しかし、適切なタイミングで復習を繰り返すことで、学習した内容を長期間記憶に残しやすくなります。
例えば、今日初めて勉強した内容をそのまま1か月放置するより、翌日、数日後、1~2週間後と復習した方が長期間記憶に残しやすくなります。そして、何度も復習して知識が定着してきたら、毎日のように復習する必要はありません。次の復習までの間隔を少しずつ広げていきます。
宅建は試験範囲が広いため、一度勉強しただけですべてを本試験まで覚えておくことは難しいです。そこで、「人は忘れる」


②宅建の復習はいつすればいい?
宅建の復習は、「問題集を一周したら二周目」というように周回単位だけで考えるのではなく、最初に勉強した直後から始めます。そして、最初は短い間隔で復習し、定着するにつれて少しずつ間隔を広げていきます。
全範囲を一周する前から復習する
宅建の勉強で「まずテキストを一周しよう」「問題集を一周してから二周目に入ろう」と考える人は少なくありません。しかし、宅建は試験範囲が広いため、全範囲が終わるまで復習しない方法では、最初に勉強した内容からかなり時間が空いてしまいます。例えば4月1日に権利関係の意思表示を勉強し、その後、宅建業法、法令上の制限、税・その他まで進めて6月に初めて意思表示へ戻るのであれば、約2か月間ほとんど触れないことになります。
そのため、宅建では新しい単元の勉強と、それまでに勉強した単元の復習を同時に進めます。 基本は「テキストや講義で一単元を学ぶ→すぐに問題を解く→理解できていない部分を確認する」という流れです。その翌日や数日後にもう一度同じ範囲を確認しながら、新しい単元も進めていきます。一周目を全部終わらせてから初めて復習するのではなく、一周目の途中から復習を並行して進めてください。
最初は短く、定着したら間隔を広げる
復習時期は、最初は短く、定着するほど間隔を広げるのが基本です。一つの目安として、次のように進めます。
・2回目→初回学習の翌日
・3回目→2回目の3日~1週間後
・4回目→3回目の1~2週間後
・5回目→4回目の1か月後
・その後→定着度に応じてさらに間隔を広げる
ただし、全員が必ずこの日程で復習する必要はありません。翌日にほとんど解けなければ次の復習は早めます。反対に、2週間空けても理由まで説明しながら簡単に解けるのであれば、次は1か月程度空けても構いません。次にいつ復習するかは、前回どの程度できていたかによって決めます。 日数を機械的に守ることより、自分の定着度に合わせて復習時期を変えることの方が重要です。


1単元を実際にどう復習する?
例えば4月1日に民法の意思表示を初めて勉強したとします。その日はテキストや講義で内容を確認したあと、分野別過去問を解きます。このときは正解数だけではなく、「なぜ無効なのか」「なぜ取消しができるのか」「なぜ第三者が保護されるのか」まで確認します。4月2日にもう一度問題を解き、ほとんど解けたのであれば次は少し期間を空けます。4月6日に再度確認して問題なく解けたのであれば、次は4月中旬、その次は5月というように間隔を広げます。
ここで重要なのは、意思表示全体を毎回同じ頻度で復習する必要はないことです。例えば虚偽表示・詐欺・強迫は問題なく解けるのに、錯誤だけ何度も間違えるのであれば、虚偽表示・詐欺・強迫は次の復習を2週間後にして、錯誤だけ翌日もう一度確認します。できるところは復習間隔を広げ、できないところに勉強時間を使う。 この方法なら、すでに身についている知識を何度も確認する時間を減らしながら、苦手な論点に時間を使えます。
問題ごとの定着度で復習時期を変える
復習時期は、「勉強が得意だから1週間後」「苦手だから3日後」のように人だけで決める必要はありません。同じ人でも、意思表示は簡単なのに抵当権は何度勉強しても間違える、といったことは普通にあります。私は問題ごとに次の3段階で考えれば十分だと思います。
・理由まで説明でき、ほぼ迷わず正解できる→復習間隔を広げる
・正解できるが判断に迷う→通常の間隔で確認する
・間違える、理由を説明できない→早めにもう一度復習する
最初は苦手だった問題でも、何度か復習して理由まで説明できるようになれば間隔を広げます。反対に、以前はできていた問題を久しぶりに解いて忘れていたのであれば、再び間隔を短くします。全範囲を均等に何周もするのではなく、問題ごとの定着度に応じて復習する時期を変えることが重要です。


③宅建で効果的に復習する方法
復習時期を決めても、復習の方法そのものが間違っていれば知識はなかなか定着しません。特に注意してほしいのが、問題集の周回数だけを増やすこと、正解しただけで理解したと判断すること、結論だけを丸暗記することです。
何度も間違える問題は原因まで確認する
同じ問題を何度も間違えると、「もっと周回数を増やさなければ」と考える人がいます。しかし、5回、10回と解いても同じところで間違えるのであれば、復習回数ではなく、そもそもの理解や問題の解き方に原因がある可能性があります。法律の意味を理解していない、似た制度と混同している、問題文の条件を読み落としている、結論だけを覚えようとしているなど、原因はさまざまです。
知識が分からないならテキストや講義まで戻る。制度を混同しているなら違いを確認する。条件を読み落としているなら、どこを見落としたのか確認する。復習とは、同じ問題をもう一度解くことではなく、次に同じ理由で間違えない状態を作ることです。 何度も間違える問題ほど、単純に復習回数を増やすのではなく、なぜ間違えたのかを確認してください。
正解しただけでは不十分
復習では、正解できたかだけでなく、なぜその答えになるのかを自分で説明できるかを確認します。「前に○だったから今回も○」で正解しても、その問題の答えを覚えているだけなら、聞かれ方を変えられたときに対応できません。
例えば権利関係なら、誰と誰の関係なのか、どの法律上のルールを使うのか、どの要件を満たしているのか、その結果なぜ○または×になるのかまで考えます。宅建業法や法令上の制限でも同じです。正解していても理由を説明できなければまだ復習対象です。反対に、期間を空けても理由まで説明しながら正解できるのであれば、その問題は復習間隔を広げて構いません。復習できたかどうかを、正解・不正解だけで判断しないことが重要です。
丸暗記・語呂合わせではなく理由まで理解する
宅建で勉強する法律のほとんどには、そのルールが存在する理由があります。そのため、宅建では原則として、すべての知識について「なぜそうなるのか」まで理解するつもりで勉強してください。
例えば35条書面なら、「この項目は売買では必要、貸借では不要」と結論だけを覚えるのではなく、なぜ買主には説明する必要があるのか、なぜ借主には必要ないのかまで考えます。民法でも「この場合は取消しできる」で止めず、誰を保護する制度なのか、どの要件を満たしたから取消しできるのかまで理解します。理由まで理解すれば知識同士がつながるため記憶にも残りやすくなり、本試験で過去問とは違う角度から聞かれても自分で答えを導きやすくなります。
もちろん、数字や期間など、そのまま覚える必要がある知識も一部あります。しかし、それを理由に宅建全体を丸暗記や語呂合わせで勉強する必要はありません。法律の意味や理由まで理解したうえで、それでも覚える必要がある部分を覚える。 この順番で勉強することで、復習もしやすくなります。
試験直前まで復習を続ける
復習の最終目的は、問題集を何周もすることではなく、10月の本試験当日に必要な知識を使える状態にしておくことです。そのため、早い時期に勉強した論点も「何回も解いたから終わり」にはしません。十分に定着した論点は復習間隔を1か月、2か月と広げながら試験まで確認し、9月や10月になっても何度も間違える論点は短い間隔で優先的に確認します。
試験が近づくほど、新しいことを覚えるだけではなく、これまで身につけた知識を本試験まで落とさないことが重要になります。「今日できるか」ではなく、「本試験当日にもできる状態か」という基準で復習を続けてください。
④まとめ
宅建の復習で重要なのは、問題集を何周したかではありません。必要な知識を本試験まで維持し、初めて見る問題でも自分で答えを導ける状態を作ることです。初めて勉強した内容は早めに復習し、問題なく解けるようになったら間隔を広げます。できる問題とできない問題を同じ頻度で復習する必要はなく、できる問題は間隔を広げ、できない問題に時間を使います。何度も間違える場合は回数だけを増やすのではなく、なぜ間違えたのかまで確認してください。
初回学習→早めに復習→定着したら間隔を広げる→忘れていたら再び間隔を短くする。 この繰り返しで、本試験まで知識を残していきます。そして復習では正解・不正解だけではなく、「なぜその答えになるのか」を説明できる状態を目指します。宅建試験の目的は問題集を5周、10周することではありません。本試験当日に必要な知識を思い出し、初めて見る問題でも自分の力で答えを導けること。 そのために復習を行います。
⑤宅建の復習を繰り返しても点数が伸びない方へ
問題集を何周もしているのに点数が伸びない場合、単純に復習回数が足りないとは限りません。同じ問題の答えを覚えているだけなのか、理由まで理解できているのか、復習時期が合っているのか、何度も間違える原因が知識不足なのか問題文の読み方なのか。原因によって必要な勉強は変わります。
宅建オンライン家庭教師では、単に問題の答えを解説するのではなく、実際にどのような順番で考
「何周もしているのに覚えられない」「過去問では解けるのに初めて見る問題になると解けない」「復習に時間を使っているのに点数が伸びない」という方は、一度ご相談ください。現在の勉強状況と実際の問題の解き方を確認したうえで、今後どこをどのように勉強すればいいのかをご提案します。
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